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2010/11/28

こういうスタイルの麻雀本を出してほしかった

雑誌「将棋世界」の人気連載に「イメージと読みの将棋観」というものがある。

イメージと読みの将棋観
イメージと読みの将棋観鈴木 宏彦

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羽生名人、森内九段、佐藤康九段、渡辺竜王、谷川九段、藤井九段という錚々たるメンバーに、テーマとなる局面の形勢判断、次の一手などのイメージを語ってもらうというもの。テーマ局面としては、戦前や江戸時代の名人達の名手、今プロの間で流行している戦法のテーマ局面、アマチュアはよく指すがプロはめったに指さない戦法、将棋を題材としたマンガの中で主人公が使うオリジナル戦法などを取り上げている。「将棋世界」は有段者向けの雑誌なので、私のようなド下手だとレベルが合わない連載が多いのだけれど、この連載はド低級の私が読んでも一流プロの考え方やイメージ、各々の棋風の違いを感じることができて非常に面白く読めてありがたい。この連載のためだけに将棋世界を買っていると言っても過言でないくらい。

私はこの「イメージと読み将棋観」の麻雀版を出してほしいとずっと思っていたんだけれど、ついにそれに相当する本が出版された。

イメージする麻雀観 (日本プロ麻雀連盟BOOKS)
イメージする麻雀観 (日本プロ麻雀連盟BOOKS)日本プロ麻雀連盟

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タイトルだけでなくて、編集スタイルや文体、テーマのピックアップ方針などまさに、「イメージと読みの将棋観」風でなかなかいい感じ。っていうか、本の体裁としてはこっちの方が読みやすい。

テーマとして挙げているのは23題。

THEME-1 ピンフのみリーチの是非
THEME-2 先行リーチの現物待ちはヤミテン?
THEME-3 危険を冒してリーチの現物待ちに受ける?
THEME-4 同巡二鳴きの是非
THEME-5 デジタル雀士のセオリーについて
THEME-6 鳴きとメンゼンの分岐点
THEME-7 手役の分岐点
THEME-8 序盤の構想
THEME-9 インフレルールへの提言
THEME-10 後手を踏んだ勝負手
THEME-11 親リーチへの対応
THEME-12 競った相手からのリーチ
THEME-13 槓のタイミング
THEME-14 流れ論
THEME-15 手作りの基本
THEME-16 伝説のカン七萬
THEME-17 どこまで手役を狙えるか?
THEME-18 手役かドラか?
THEME-19 麻雀の上達法
THEME-20 終盤の選択
THEME-21 自力決着か他力を借りるか?
THEME-22 相手の手の評価
THEME-23 手出しとツモ切り

選ばれているプロ雀士が私好みではなくて、流れ論入っていて統計的な研究について否定的な感じなのが、個人的にはちょっと残念ではあるし、もうすこし、どうしてあっちよりこっちがいいのかを解説してほしい感じはする。
本家の将棋版もそうだけれど、この本に書いてあることが正しいかとか、この本を読んだら強くなれるかは正直不明ではあるけれど、各人の考えの違いが垣間見えて面白い。

この一冊だけで済まさずに、別のテーマや別のプロ雀士で似たようなスタイルの続編やパクリ本を出してほしい。
っていうか、もう明快に定量的な答えが見いだせないような局面を扱う麻雀本はすべてこのイメ読みスタイルの体裁でいいんじゃないかとすら思う。


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